研修第4日目 −CG業界特別セミナー&交流会−

Dr_sano2006-02-19

さあ、本日は、いよいよ本場ハリウッドで活躍するCGクリエイター
の方々をお招きして、デモリール上映や作品制作のあれこれをお聞きします。
朝は、9:00集合。ああ、遅めの集合でよかった。
でも、今朝は、私が一番遅かった・・・トホホ。

車にて昨日と同様、Lighthouse社さん3階会議室へ。
朝食をいただいた後、10:00からセミナー開始。
まずは、渡辺潤氏の高校時代の作品から拝見。
文化祭で、爆笑のうずに巻き込まれたという、デビュー作。
フィルムの1コマ1コマに直接、傷をつけて作成した怪光線。
いま見ても、これは面白い!この作品での爆笑体験が
いまの原点になっているそうです。
そして、リンクスワークス社時代の作品を拝見。
さまざまなVisual Effectの作品を拝見させていただいた後、
ハリウッドへの進出の過程についてお話をしていただきました。
次にJuan Rubio氏のデモリールを拝見。
「The Day After Tomorrow」の雪のシーンや、「Matrix Reloaded/Rebolutions」の
オートバイでのハイウェイ逆走シーン・ネロの格闘シーン・大型トレーラの正面衝突
シーンなどの作成過程をお聞きした。
ここまでで、両氏の見せてくださったさまざまな映像に
学生からは、質問の大洪水!
両氏も丁寧に回答して下さり、時間を大きく超過。
途中で無理やり打ち切り、隣のバーガーキングにて昼食。
昼食時も、気さくな講師の方々は、学生と一緒のテーブルで
ハンバーガを食べていただきました。学生からは質問が止まらない・・・。

午後は、昨日も参加していただいた杉本友記さんのデモリールを拝見。
杉本さんは、Academy of Art Univesityを卒業後、先日見学したRhythm&Hues社に
就職なされたばかりの女性。
学生とは、年齢も近く、留学の経験や、就職活動についてもいろいろと
お話を聞きやすい感じ。
さらには、今回、拝見させていただいたデモリールは実際にRhythm&Hues社の
採用試験に持ち込んだもの。
非常に参考になりました。そして、杉本さんから、日米のCG業界の採用の
違いを教えていただきました。
日本では、「CGクリエイター」として、すべての作業を万遍なくこなす人材を
採用する(すべてに60点以上の無難な人材を欲しがる)傾向が強いが、アメリ
では、それぞれの分野で、突出した才能を有する人材を採用するとのこと。
3DCGを例にとると、
Post Production(編集) の会社の場合
3D Department
・Tracking/Matchmove
・Modeler
・Technical Animator
・Ringing
・Lighting
・FX Animator
・・・
2D Department
・Rotoscoping/Clean plate
・Compositing
・Color Timer
・Matte Painter
・Texture Artist
・・・
など、かなり細分化されていて、この中のどれが自分はできるということを
訴えていかないと採用はないとのこと。
うーん、さまざまな個性がぶつかり合って、生かされて良い作品ができて
いくんだなぁ。と、個を重視するアメリカを再認識しました。
ハリウッド映画は、一人ではなく、クルーとして多くの人間が、協同して
作り上げているんだということがよく分かりましたね。

このあと、CGクリエイターの皆さんに、自分達が作ってきた作品を
一人ずつ丁寧に講評していただきました。さらには、「あなたは、とくに
Lightingが素晴らしいから、将来はLightingをしっかり学んで挑戦した
方がいいと思います。」とか、それぞれの個性まで踏み込んでの暖かい
アドバイスをいただきました。
うれしかったねぇ。

午後の部も、講師の皆さんの熱のこもったお話のおかげで、時間を大きく
超過してしまいました。
お忙しい中、時間を割いてきていただいて、さらに時間を超過しての
ご指導にみんな感激でした。

この後、場所をイタリアンレストランに移して
夕食をいただきながらの交流会。
このころには、学生は、思い思いのクリエイターさんを自然と囲んで
質問攻め。
交流会には、昨日のSandale Dreamさんから、萩原さん、藤本さん、佐藤さんが
かけつけてくださいました。

大きな大きな食べきれないほどの、ピザとパスタ、どうもごちそうさまでした。

今日は、長時間にわたって貴重なお話をいただきありがとうございました。
渡辺潤さん、Juan Rubioさん、杉本友記さん、静岡でも再びお会いできる日が
くることを心待ちにしております。
どうか、必ず、大学へも一度いらしてくださいね。

2日間、熱のこもった議論でへとへとに疲れましたが、非常に充実した2日間
でした。この2日間の特別セミナーは、大学で1年間かけて学ぶ以上の密度の濃い
内容であったかもしれません。
ぜひ、この経験を生かしていきましょうね。
さあ、明日は、午前中、美術館。午後は、メルローズアベニューで買い物ですよ。
って、一番張り切っているのは、私かぁ・・・トホホ。