研修第2日目−ワーナーブラザーズスタジオとRhythm&Hues社見学

Dr_sano2006-02-17

さあ、研修2日目、本格的な研修のスタートです。
朝7:00より、ホテル1階のレストラン「葉っぱ」にて朝食。
7:30にロビー集合で、再び昨日の、大型バンに乗り、午前中は
「ワーナーブラザーズ・スタジオ」見学に向かいました。
8:30前に到着。ここは、パスポート等、写真付の本人確認用
IDがチケット購入・見学にあたって必要です。
また、入口では、空港なみのセキリュティチェックがありました。

チケット購入後、ツアースタートまで、しばらくは
トイレ休憩とショップを散策。
私たちは、9:00スタートのグループ2Aでした。
12名くらいが乗車できるゴルフのカートの大きめのものに
乗り、スタジオ内を巡ります。
私達のグループは、私達だけでカートを独占。
ガイドのアダム氏は、現在、大学で映像やアクターについて学んでいる学生さん。

まずは、NYやシカゴの街並みとして使われるストリートの見学から。
レンガに見える壁も実際は、プラスチックでできていました。
また、ドアを開けると中は、何もない空間。木材がむき出しの状態。
ここでの撮影は、俳優がドアを開けるまで。その後は、別のサウンドステージ
呼ばれる大きな倉庫のようなスタジオの中に組まれたセットで撮影します。

このストリートでは、ラストサムライトムクルーズが演技していたり、
バットマンカーが疾走したりと、いろいろなシーンに使われているそうです。

次に移動したのが、おなじみ人気TVドラマ「ER」のシカゴの街並み。
シリーズが人気になったために、ER専用のセットが組まれたそうです。
シカゴの設定で、高架を走る線路(ただし、レールは、なし)や、救急車など
そこは、もうERの世界そのまま。
雨のシーンでは、わざと2〜3倍の大粒の雨を用意したり、雪のシーンでは、
マッシュポテトを使ったりと、さまざまな工夫がなされているそうです。

次に、移動したのは、「ギルモア・ガールズ」(日本未公開?)の撮影現場。
アメリカ東部の設定で、しかも季節は春のシーンの撮影中なので、LAでは
実際には生えていない種類の樹にプラスチックの緑鮮やかな葉っぱを貼り付けて
使っていました。

そして、次に大きな衣装倉庫を見学。ラストサムライで使った衣装などが、
大きな倉庫の中にぎっしりと並べられていました。その中で、映画「ポストマン」
の撮影で、実際にケビン・コスナーが着用したという衣装を発見。
思ったより小さいサイズにびっくり。でも、思わず、スリスリしてきました。

そして、映画で使われた車の陳列を見たあと、大道具の倉庫を見学。
さまざまな家具、調度品、シャンデリアなどがところ狭しと並べられて
いました。その中で、「HOLD]というカードが貼られたものは、既に
撮影用に予約の入っているものだそうです。スパイダーマン3の撮影用に
予約された家具もありました。公開されたときには、この家具もどこかの
シーンで登場することでしょう。
さらにいよいよサウンドステージを見学。私達が見学したところは、先程の
ギルモア・ガールズ」の撮影に使っている室内セットでした。ちなみに
このステージでは、かつて名画「カサブランカ」の撮影も行われたそうです。
ハンフリー・ボガードイングリッド・バーグマンがここで演技していたかと
思うと少し感動でした。ほかに「バットマン」などの撮影も行われたそうです。
サウンドステージは、全部で27個あるそうです。
室内セットでは、豪邸が再現されていました。アクターの勉強中のアダム氏が
俳優の立ち位置のマーキングと演技について実演をまじえて説明してくれました。
アダム君、日本からきたCGを勉強中という女子学生だけの私達のグループに
ちょっと熱が入ったようです。いつもは入れてくれないところまで、案内して
くれました。
また、刑事コロンボピーター・フォーク得意の額に手をやりながら、下を
向いてうろうろするあの演技は、実は立ち位置のマークを探しているもの、と
教えてくれました。
また、同じ建物の中で、「ギルモア・ガールズ」の主人公が学ぶエール大学の
構内も再現されていました。

その後、最後に博物館を見学。2階の展示は、「ハリーポッター」の撮影で
使用したものの展示。学生は大興奮でした。

楽しかったワーナーブラザーズ・スタジオの見学を終え、ユニバーサル・シティ
ウォークにて各自、思い思いに昼食と買い物。
最終日の自由行動は、ユニバーサルスタジオに全員決定。

午後は、世界で5本の指に入るCG制作会社、ポストプロダクションの「Rhythm&
Hues」を見学しました。

最初に最新作「ナルニア国物語」のCG制作の様子を紹介した映像を20分程度
重役たちも見るという試写用のミニシアターで見学。
次に説明を受けながら、ゆっくりと制作現場を見学していきました。

3DCGのモデリング作業の部屋では、実際に樹脂製の粘土でキャラクターを
デザインし、それを3次元デジタイザーでデータ読み込みをしていました。
このモデリングの作業はMayaを使って行っていました。
ほかにライティング設定の作業や、サウンドに合わせてキャラクターを動かす
作業(映画「ガーフィールド」)など、どれも学生にとっては、面白い勉強に
なるものばかりでした。実際に作業をしている人のコンピュータのところまで
行って、質問もでき、デモンストレーションも見せていただいて、アメリカの
方々のフランクな感じに正直びっくりしました。
また、実際のクリエイターの方の作業現場を見学できたことは大変参考に
なりました。やや照明を落とした暗い部屋の中で、ブースごとに分かれて
作業をする環境も大いに参考になりました。
また、各自のブースには、思い思いの品があり、中には大きな犬までブースの
中にいました。
昔、ディズニーで、犬などの動物の動きをリアルに再現するために、制作部屋に
犬を放し飼いにしてスケッチしていたという話を思い出しました。
非常に自由な雰囲気で、どこかの国の会社のオフィス環境とはずいぶん違うもの
だなぁと感心しました。
そして、編集するための部屋を見学しました。一昔まえまでは、実際にフィルムを
リールで巻いて、カッターで切って、つなげて・・・という作業で編集が行われて
いました。いわゆるリニア編集です。
いまでは、コンピュータを使って自由にシーンをカットしたり、つなげたりと
編集ができるようになっています。いわゆるノンリニア編集です。
ただ、いまでも、スピルバーグだけは、自分でフィルムを見ながら、1シーン、
1シーンをリール上で確認しながら、切ったり、つなげたりするリニア編集に
こだわっているそうです。
見学中、日本人でここに働くクリエイターの方、お二人にたまたまお会いでき、
お話を聞くことができました。セイさん、岡野さん、ありがとうございました。

見学後、案内してくれたスコットさんから、「今日の学生は、非常に真面目で
真剣だった」と褒めていただきましたよ。全員、ノートとペンを持ち、説明を
聞き漏らさないようにメモする姿に感心されていましたよ。
慣れない英語での質問に、スコットさんが丁寧に答えてくれたのも、皆さんの
真剣さが伝わったからですよ。
留守宅のご家族の皆さん、大学関係者の皆さん、参加者全員、がんばっています。
安心してください。もしかしたら、彼女たちは、いま、1年〜2年分の勉強を
一気にして行っているのかもしれません。若いということは素晴らしい、ホンモノ
を見ることで、どんどん成長しているようです。

さあ、明日は、3日目、特別セミナーと交流会です。さらに人的ネットワークを
広げるチャンスです。誰でも、新しい人と会って話を膨らませていくのは、
最初はおっくうで、たいへんです。でも、この自分の殻を破ることで、みんな
大きく飛躍していくんですねぇ。さあ、がんばりましょう。